子どもがかかりやすい感染症には聞き慣れないものが多く、どんな病気なのか、もし感染した場合に、どんな対応をすれば良いかわからなくて不安ですよね。子どもに多い感染症の代表的なものについてご紹介します。
溶連菌感染症(飛沫・接触)
溶血レンサ球菌と呼ばれる細菌による感染症。発熱やのどの痛み、リンパの腫れ、舌にブツブツができるイチゴ舌やかゆみを伴う手足の発疹などが主な症状となる。
潜伏期間は2から5日程度。
治療方法
菌を抑えるための抗生物質による治療。
症状が落ち着けば登園・登校可能。
胃腸風邪(飛沫・接触・糞口)
ノロウイルス、ロタウイルス、アデノウイルスなどを含むウイルスまたは細菌などによる感染性胃腸炎の総称。主に、下痢や嘔吐、腹痛、発熱などを引き起こす。
潜伏期間は1から2日程度。
治療方法
熱などの症状や整腸剤などを用いた治療。こまめに糖分・塩分を含んだ水分(イオン飲料など)を取らせ、脱水に注意する。
お味噌汁の汁だけでも飲めればOK。
嘔吐・下痢を繰り返す場合は、「お腹を休める」ことを優先し、「水が飲みたい」「お腹がすいた」と言っても、少量にとどめてお腹に負担をかけないようにする。
症状が落ち着いたら、食べないと良くならないので、何か口にできると良い。
症状が落ち着けば登園・登校可能。
予防&対策
手洗いをしっかりとし、タオルの共用は避ける。
※嘔吐物が付着したものが乾燥して、空気感染することも。便・嘔吐物の処理には注意!
こんな症状が出たらすぐに病院へ!
・数時間以上、嘔吐を繰り返す
・水分を取らなくても吐く
・おしっこが出ない
・泣いているのに涙が出ない
・おなかの皮膚がシワシワになっている
・ぐったりとしている
子どもの病気の大半は、感染症です。しかし、症状の重くならない程度の「風邪」をたくさんひくことが、からだを強くしていくためには大事とも言えるので、子どもが感染症にかかっても、過度にならず適切な対処ができるようにしたいですね。ただし、いつも子どもと一緒にいる保護者が、「これはおかしいな」と感じたらすぐに受診するようにしましょう。また、熱が出たら何かしらの感染症にかかっている可能性が高いので、しっかりと休養させてあげましょう。
受診を迷った場合や夜間・休日の場合は
「こどもの救急」などのWebサイトを参照したり、#8000(こども医療電話相談)にご相談ください。Webサイト「こどもの救急」はコチラです。
参考
・NPO法人ファミリーステーションRin主催 2024年度子育て支援者養成講座「小児保健」(講師 :プライムツリーこどもクリニック院長 清水恵子先生)
・手足口病 | 厚生労働省|厚生労働省
・マイコプラズマ肺炎|厚生労働省
・国立感染症研究所
監修:プライムツリーこどもクリニック院長 清水恵子先生